小学生でも学年が上がるにつれてれ塾へ通う子も多くなってきますよね。中学受験を考えている家庭では、すでに4年生頃までに小学校で習う勉強をすでに全て終わらせて、受験対策に力を入れているなんてことも珍しくはありません。
子どもが受験をしなくても、勉強熱心な親であれば今の学年以上の学習をさせている家庭もあるはずです。勉強に効果的とされている先取り学習も、実はメリットばかりではありません。子どもにとっては弊害になることもあるのです。
そこで今回は先取り学習のメリット、デメリットについて紹介します。小学生の子どもに先取り学習をさせようか悩んでいるという方は、ぜひ参考にしてみてください。
予習と先取り学習の違い
「先取り学習」と聞くと「予習」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。今やっている勉強よりも先のことを学習するのはどちらも同じことですが、実は「先取り」と「予習」では少し意味が異なるのです。
「予習」は、学校で翌日勉強する授業範囲を大雑把に学習しておくことで、授業を理解しやすくするためにおこないます。予習をしない場合に比べて、確実に授業内容が理解しやすくなるメリットがあります。
一方「先取り」は今やっているよりもずっと先、例えば小学1年生で3年生や4年生の学習をすること。予習と違って受験勉強全体の効率化を目的としています。小学校で習う勉強を早く終わらせておくことで、受験対策に力を入れることができるのは大きなメリットと言えるはずです。
先取り学習のメリット・デメリット
先取り学習は受験勉強全体の効率化を図れるため、進学塾では当たりにおこなわれています。しかし、メリットは受験だけではありません。そこで、先取り学習のメリット・デメリットにはどんなことがあるのか確認してみましょう。
先取り学習のメリット
- 得意科目を伸ばせる
- 学習のつまずきを未然に潰しておける
- 理解が遅れても取り返す期間に余裕がある
- 授業で復習をすることで反復学習ができる
- 学習が定着しやすい
学習の苦手も事前に潰しておけるため、授業で習う頃にはつまずくことがありません。子どもにとっては大きな自信につながるはずです。また先取り学習をしてから学校の授業で復習し、さらに宿題で二度復習をすることになるため、学習定着率が高くなります。
しかし、先取り学習はメリットばかりではありません。デメリットもきちんと知っておくことが大切です。
先取り学習のデメリット
- 学校の授業がつまらなくなる
- 自信過剰になる
- 暗記型の勉強が身についてしまうこともある
- それなりにお金がかかる
- 負担が増えるので勉強以外の何かが犠牲になる
また、漢字や計算などの暗記型の勉強は先取りしやすいため、どんどん進めて「できたような気になる」こともあります。低学年であればそれでも問題はありませんが、学年が上がるにつれて勉強のやり方だけでなく「考え方」も重要になってくるのです。
解き方だけを重視した先取り学習をしていると、思考力を問われる問題がだんだん解けなくなってしまいます。そのため、先取り学習のやり方も大切になるのです。
先取り学習よりも大切な基礎固め
先取り学習は授業を理解しやすくなるメリットはあるものの、やり方を間違っていたり、あまりにも先の学習を進めることでデメリットも生じます。
授業に集中できない、学校の勉強が楽しくないのであれば、先取り学習よりも基礎をしっかりと固め、深く掘り下げて学んでいく方がずっと効果的です。習ったことの復習に重点を置いて、次に習うところの教科書を読んでおく。これだけでも随分と授業の理解度は上がるものです。
【参考】小学生は教科書学習が最強の勉強法!5つのメリットを解説
中には「学校の授業は簡単すぎる」「我が子はもっと難しい問題が解ける」と思う親御さんもいるかもしれませんが、それなら今習っている学習の応用問題をやってみるのもおすすめです。「基本」→「応用」→「発展」とステップアップすることで、暗記型の勉強ではなく考える学習に繋がります。
先取り学習は才能を伸ばすためにする勉強法ではなく、「1つのツール」として考えておきましょう。
まとめ
学年以上の学習ができる子が賢い、偉いというわけではありません。中学受験をするのであれば先取り学習も必要かもしれませんが、そうでなければ小学生の間は基礎学力を定着させることが大事なのです。学校の学習が簡単すぎるのでもっとステップアップした勉強をさせたいと思ったら、今やっている勉強の応用や発展問題にチャレンジしてみましょう。
我が家では先取り学習はしていないものの、タブレット型通信教育『スマイルゼミ』を使って、教科書に沿った内容の基本→応用→発展問題とステップを踏んだ学習をしています。
まずは、小学生の間は基礎をしっかりと固めることを意識してみてくださいね。